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難治性甲状腺癌に対する最新治療薬「分子標的治療薬」について 

難治性甲状腺癌に対する最新治療薬「分子標的治療薬」について  

内分泌甲状腺外科                                   

担当: 鳥 正幸 水曜日診察

 

甲状腺癌には予後良好な分化癌である乳頭癌(90%以上)、濾胞癌(5%)と予後不良な髄様癌、未分化癌、悪性リンパ腫(それぞれ1-2%)、と大別されます。分化癌は外科治療により良好な予後が見込まれるいわゆる「low risk群」がほとんどですが、一部に「high risk群」の方がおられます。High risk群の患者さんは手術後にも全身転移や局所再発を来す場合があります。その場合、従来方針ではI131(放射性ヨード)内用療法という放射線治療が主体でした。内用療法の治療効果がなく更に進行する場合は、一般に予後不良とされ、こういった「RI抵抗性切除不能難治性甲状腺癌」は大きな課題でした。最近になって新しい治療薬「分子標的治療薬」が甲状腺癌診療の領域にも登場しました。分子標的治療薬が、他の癌領域から甲状腺領域へ適応拡大したり、あるいは新規開発によって難治性甲状腺癌治療の流れが大きく変わろうとしています。分子標的薬は抗がん剤の一種ですから治療効果とともに重篤な、時には致命的な副作用の発現に留意しなければなりません。現在は、安全性担保のため導入時短期間観察入院のうえ多科連携体制―総合病院として万全の体制」で管理する方針としています。 

分子標的治療薬で市販化されたものにはソラフェニブ(商品名:ネクサバール)レンバチニブ(商品名:レンビマ)があります。後者は髄様癌や未分化癌においても適応となっています。当院では極めて多数の使用実績を有し大きな治療成果とともに安全性も確立しています。具体的にはグローバル(世界的)臨床試験Phase3での某分子標的治療薬(アストラゼネカ社治験終了:国内登録数第1位)をはじめ、ネクサバール市販後使用登録数国内第1位(バイエル社調査:2015年8月18日時点)、レンビマ市販後使用登録数国内第2位(エーザイ社調査:2015年8月18日時点)等となっています。 

(備考:大阪警察病院は癌拠点病院としてあらゆる分野の癌診療に重点的に取り組んでいます。15床を有する外来癌化学療法センターhttps://www.oph.gr.jp/medical/center/5.html)をはじめ、臨床腫瘍学会暫定指導医、癌薬物療法専門医、癌治療認定医(指導医)、癌化学療法認定看護師、等の資格を有する多くのスタッフが常勤し万全の体制で分子標的治療に対応しています。)

 

下記をご参照ください。

https://www.oph.gr.jp/medical/treatment/kojyousen/post-62.html#14

 

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