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副腎・脾臓・後腹膜疾患に対する腹腔鏡での新アプローチ

副腎、脾臓といった臓器の疾患や後腹膜に出来る腫瘍等は比較的珍しく、腹腔深くに存在するため、手術の難易度は高いとされます。近年、当科では主として副腎良性腫瘍、脾腫、後腹膜良性腫瘍等に対して腹腔鏡「前側方アプローチ」を開発し、良好な成績をおさめています。

副腎疾患: 副腎は腎臓の頭側に接するようにして後腹膜腔(背中)に存在します。大きさは3-5 cm、重量5 gr程度です。副腎皮質ホルモンと副腎髄質ホルモンが分泌されます。内分泌外科が手術対象とする疾患はこういったホルモンが過剰に分泌される病気です。過剰に産生されるホルモンの種類によっては様々な症状が発現します。例えば、高血圧、動悸、肥満、けいれんなどで投薬など内科的コントロールで困難な場合もあります。また腫瘍が巨大化して腹部が膨隆したり血管等を圧迫するケースもあります。一方で非機能性すなわちホルモンを産生しない検査や手術適応の検討を行い手術が必要な場合、多くの症例で内視鏡下で副腎手術がなされています。その結果傷跡も小さく、手術後の回復も早く良好なQuality of lifeが得られています。

後腹膜疾患: 膵、腎、副腎以外で後腹膜から発生した疾患を指します。由来として、組織、血管、リンパ管、筋肉組織、神経組織などから発生し良性悪性ともに存在します。最初は無症状で、増大すると腹部膨満、腹痛、消化管の通過障害、尿閉などが出現します。診断は、触診、X線検査、超音波検査、CT検査、MRI検査などで行います。治療は、手術による完全摘出が第一選択です。切除のできない悪性例は化学療法や放射線療法が行われる場合もあります。

脾臓: 巨脾疾患(特発性血小板減少性紫斑病、特発性門脈圧亢進症など)や脾腫瘍、脾嚢胞に対して積極的に腹腔鏡下脾臓摘出術を施行しております。術前脾動脈塞栓術やHand-assist下の腹腔鏡下手術を施行することもございます。

こういった疾患に対して当科では従来開腹手術や後腹膜鏡アプローチを施行してきましたが、最近経腹膜「前側方アプローチ」を開発しました。このアプローチでは悪性の可能性を考慮しやすいこと、少ないポート(穴)の数(3穴)で施行可能であり、同時手術(胆嚢摘出術など)(4穴)が可能となるなどのメリットがあります。従来の開腹手術や後腹膜鏡アプローチを除いて、最近になって7例このアプローチを適用しましたが、いずれも従来法と比べて術後経過が順調で疼痛も殆ど認めませんでした。また全例手術時間も短時間でした。全例術後3-7日で元気に退院されました。

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(図1)副腎腫瘍(左)術後手術痕(3穴):手術時間(190分)

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(図2)副腎腫瘍(右)+胆石症同時手術術後手術痕(4穴):手術時間(合計120分)

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(図3)副腎腫瘍(左)+胆石症同時手術術後手術痕(4穴):手術時間(合計190分)

 

上記以外に脾臓、後腹膜症例に対しても施行し良好な術後経過となっています。

…患者さんの声より…
「想像よりずっと小さな傷ですんだ。」「傷がほとんど痛まない。」
「1日がかりの手術かと思っていたが半日以内に終わった。退院も早く嬉しかった。」など寄せられております。

 

 

 

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