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主要な泌尿器科腫瘍に対する治療成績

当科では主要な泌尿器科腫瘍に対する治療成績を公表しています。

 1.膀胱癌の最近10年間の治療成績
 当科で治療した初発膀胱癌約300名の方での、5年疾患特異的生存率は全体で92.9%、10年疾患特異的生存率では85.9%です。5年間生存率の病期別ではStage0a・Ⅰ:100%、Stage0is:83.3%、StageⅡ:71.2%、StageⅢ:46.7%、StageⅣ:53.6%です(図1参照)。膀胱癌に特徴的な腔内再発では、5年非再発率は全体で59.5%、病期別ではStage0:61.1%、StageⅠ:62.0%、StageⅡ:52.1%、StageⅢ:57.1%、StageⅣ:26.7%です(図2参照)。

 

図1 疾患特異的生存率
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図2 膀胱腔内非再発率
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2.当科における前立腺の治療成績
当科では1990年1月から2004年12月の15年間の間に493例の新規前立腺癌症例を経験しました。年齢は51歳から99歳です。前立腺癌は高齢の方が多く、全生存率は5年:70%、10年44.3%でした。すなわち他の癌とは異なり、比較的予後が良好なため前立腺癌以外の死因で亡くなられるかたも多くいる傾向でした。

また前立腺癌のみを死因とした疾患特異的生存率では、1990年から2004年で解析するとstage A1:5年100%・10年90.9% stage A2:5年96.8%・10年78.3% stage B:5年89.4%・10年79.1% stage C:5年77.3%・10年53.0% stage D:5年36.9%・10年23.2%でした。やはりいくら前立腺癌が予後良好とはいえ、発見時に他臓器に転移を有している症例の予後は不良です。

しかし注目すべきは前立腺癌における近年の予後の改善です。今回15年のうち前半の1990年から1996年と、後半の1997年から2004年とに分けて比較解析しました。その結果5年生存率ではstage A1:100%→100%、stage A2:93.3%→100%、stage B:81.6%→90.8%、stage C:50%→88.3%、stage D:28.3%→40.2%といずれも生存期間が延長しており、治療方法の進歩や治療方法の新しい組み合わせがその原因であると考えます。
 

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3.腎盂尿管癌
当科で経験した症例数は1990年から2004年の15年間で84例(手術できなかった例も含む)でした。84例の治療成績は5・10年生存率がともに76.4%と良好な成績でした。手術療法は2002年から従来の開腹手術から腹腔鏡併用下での手術を第一選択としています。この腹腔鏡手術によって従来は30cm以上の皮膚切開を要していた手術が7cm以下でできるようになり、術後の傷の疼痛が軽減し、早期に離床・退院が可能となりました。また症例によっては標準的な腎尿管全摘除術(患側の腎臓と尿管を摘出)ではなく、尿管鏡下での切除術や尿管部分切除術などの腎臓と尿管を温存した手術を行っています。

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4.腎癌
当科では1990年4月から2005年12月までの間に189人の腎細胞癌患者の治療をおこないました。年齢は26~86歳(平均60.6歳)で男女比は3.25:1と男性に多く認めました。
症状としては偶然に発見された例108例(63%)、血尿37例(22%)とこの2つが多くを占め、癌の進行度はⅠ期が136例(79%)、Ⅱ期が10例(6%)、Ⅲ期が11例(6%)、Ⅳ期が15例(9%)でした。手術は根治的腎摘除術を59例(34%)、単純腎摘除術50例(29%)、腎部分切除術あるいは腎腫瘍核出術を57例(33%)に行いましたが、近年は手術後の腎臓機能温存のために腎部分切除術や腎腫瘍核出術が多くなっています。また2002年8月から鏡視下手術を導入しており、2005年12月までに27例行っています。術後の再発・転移を認めた症例は19例/172例(約11%)で、5年非再発率87.0%、10年非再発率81.8%、疾患特異的生存率は5年で88.6%、10年で86.7%、病期別5年生存率はⅠ期:97.4%、Ⅱ期:71.4%、Ⅲ期:72.0%、Ⅳ期:31.3%でした。


当科では根治性を最優先した上で、より浸襲の少ない手術を選択して治療を行っており、また、インターフェロンやインターロイキンを用いた免疫療法に関しても積極的に取り組んでいます。
 

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