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内分泌・甲状腺疾患手術実績―良好な予後と合併症0へのトップレベル成績

担当:鳥 正幸  水曜日診察

大阪警察病院内分泌甲状腺外科は、「日本内分泌外科学会専門医制度認定施設」に登録され、最高レベル難度内分泌疾患手術(甲状腺、副腎腫瘍等)に対応可能な全国的センター施設として機能しています。特に気管反回神経・食道・血管等への浸潤を呈する高難度進行甲状腺癌では甲状腺専門病院や全国各地の大学病院から多数の症例を紹介いただいており、あらゆる状態の全甲状腺疾患に対応可能です。適応のあるものは難易度によらず手術を実施しています。一方、質の高い」通常甲状腺癌標準手術や良性腫瘍手術に最も力を入れています。美容面を考慮し目立たない創、愁訴の少ない術後状態と早期退院(術後2-5日)を達成しています。最近では、通常甲状腺癌手術において独自の内視鏡手術(hybrid VANS法)を開発し標準としています。内視鏡手術と通常手術のメリットを統合した方法です。1.5-2.0cmの創と5mmのカメラ孔(目立たない位置)のみで整容性に優れています。手術は短時間で安全確実性も高く、「癌の標準術式」としては類をみないと思われます。手術実績(過去約3年間)を呈示します。合併症は全394例中1例(0.25%)です。気管浸潤症例における独自の術式基準を設定した過去7年間手術総数692例において、手術関連死亡&在院死亡0例を達成しており、国際的にもトップレベルの成績と評価されています。これら実績は論文、全国学会、国際学会(特別演題:シンポジウム、パネルディスカッションなど)で多数発表し業績として実績を裏付けています。

以下参考アドレス:https://www.oph.gr.jp/medical/treatment/kojyousen/folder100/post-65.html

全手術実績 ― 過去3年間(2008年~2011年6月)

(A)  疾患別症例数

    疾患名 症例数
(頸部甲状腺)
  ・甲状腺癌  266
    (うち甲状腺癌気管(食道血管)浸潤)      (61)
  ・甲状腺他悪性(悪性リンパ腫、未分化癌等)  2
  ・バセドウ病  5
  ・甲状腺腫瘍(良性)  92
  ・副甲状腺腫&腫瘍  14
  ・正中頸のう胞 3
  ・顎下腺腫瘍&耳下腺腫瘍 3
頸部合計 385例
(副腎等)
  ・副腎腫瘍、後腹膜腫瘍 9
全体合計 394例

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(B)  術式別症例数と合併症

術式 症例数 術後合併症
・hybridVANS内視鏡手術(癌)  26 0
・甲状腺葉切除、リンパ節郭清 93 1(血腫)
・甲状腺癌リンパ節郭清 38 0
・甲状腺全摘(or亜全摘)、リンパ節郭清 115 0
  うち、気管食道血管等合併切除     60     ※0(頸部)
  うち、胸骨切除縦隔郭清     3     0
・甲状腺超亜全摘(バセドウ)  5 0
・甲状腺全摘(良性) 12 0
・葉切除、部分切除(良性) 76 0
・副甲状腺摘出(1-3個) 14 0
・正中頸のう胞根治術 3 0
・耳下腺、顎下腺腫瘍摘出 3 0
・副腎、後腹膜腫瘍摘出(腹腔鏡含む) 8 0
・合併切除(VCI、腎臓、脾臓) 1 0
                  合計  394例 1例
       合併症率 0.25%

備考

  1. ※腸瘻作成時の開腹創し開(腹部)- 2例
  2. 創感染、創腫脹、リンパ瘻、一過性嗄声、など経過観察により短期間で治癒した軽微な合併症は除外しています。
  3. 手術関連死亡0&在院死亡0。手術例の長期での死亡例0(於2011.5.1)。
  4. 術中反回神経誤切断(浸潤のない反回神経を誤って切ること) 0例
  5. 永続的嗄声 0例(腫瘍のための反回神経shaving例&切除例は除く)
  6. 甲状腺癌内視鏡手術、片葉手術、全摘は2-5日の退院。気管合併切除は1-2カ月嚥下訓練、気管切開閉鎖後退院。喉頭全摘では人工喉頭訓練後退院。
  7. 当院は研修指定病院であり、指導医は固定されているものの、レジデント等の主治医はレベルに応じて術者として適切に手技を施行し、かつ術後管理も主体的に行っております。
  8. 周術期管理に関しては耳鼻科、呼吸器科、内分泌甲状腺内科、循環器科、麻酔科(ICU)、等他科と緊密に連携し、協力して頂いております。
  9. 耳介軟骨手術は形成外科と共同で施行しています。
  10. 手術後の創部ケア(肥厚性瘢痕、ケロイド等)は、必要に応じて当院形成外科と連携して専門的加療を実施するなど美容面にも十分な配慮をしています。

*上記全例調査はカルテ記録(証拠)に基づいています。

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