ホーム > 新着情報 > 各診療科からのご案内 > 内分泌・甲状腺疾患手術実績(更新)-術後合併症≒0と保険診療極小切開手術(新Tori法)
内分泌・甲状腺疾患手術実績(更新)-術後合併症≒0と保険診療極小切開手術(新Tori法)
担当:鳥正幸 水曜日診察
大阪警察病院内分泌甲状腺外科は、「日本内分泌外科学会専門医制度認定施設」(内分泌甲状腺外科専門医常勤や手術数等の条件を満足)に登録され、最高レベル難度内分泌疾患手術(甲状腺、副腎腫瘍等)に対応可能な全国的センター施設を担っています。気管反回神経・食道・血管等への浸潤を呈する高度進行甲状腺癌では甲状腺専門病院や全国各地の大学病院からも多数の症例を御紹介いただいています。そういった症例は、手術全般に当てはまる一般的な不確実性に加え、呼吸循環の突発事象へのきめ細かな配慮を要します。当科では、高度進行分化癌に対する独自の術式基準(大阪警察病院式)を設けて安全性と根治性を考慮しています。過去10年間手術関連死亡&在院死亡0例。近年は、「質の高い」通常甲状腺癌標準手術や良性腫瘍手術に最も力を入れており、通常甲状腺癌手術における独自の極小切開手術(新Tori法)を実施しています。全摘例でも適応を満たせば片側鎖骨上2-2.5cm程度の創での手術が可能な場合が大半です。手術実績を呈示します(下記)。内分泌・甲状腺疾患全体の術後合併症は全890例中3例(0.34%)です。成果については、論文、全国学会、国際学会(特別演題:シンポジウム、パネルディスカッションなど)で多数発表し業績として実績を裏付けています。
参考アドレス:https://www.oph.gr.jp/medical/treatment/kojyousen/folder100/post-65.html
(Tori法、新Tori法について) https://www.oph.gr.jp/blog/topics/mhm-brtori.html
全手術実績 ― 過去6年間(2008年~2014年5月)
(A) 疾患別症例数
疾患名 |
症例数 |
(頸部甲状腺) |
|
・甲状腺癌 |
640 |
(うち甲状腺癌気管(食道血管)浸潤) |
(102) |
・甲状腺他悪性(悪性リンパ腫、未分化癌等) |
5 |
・バセドウ病 |
22 |
・甲状腺腫瘍(良性) |
176 |
・副甲状腺腫&腫瘍 |
28 |
・正中頸のう胞 |
5 |
・顎下腺腫瘍&耳下腺腫瘍 |
3 |
頸部合計 |
879例 |
(副腎等) |
|
・副腎腫瘍、後腹膜腫瘍 |
11 |
全体合計 |
890例 |
(B) 術式別症例数と合併症
術式 |
症例数 |
術後合併症 |
・内視鏡手術(癌)(Tori法:葉切,全摘) |
255 |
0 |
・甲状腺葉切除、リンパ節郭清 |
127 |
1(血腫) |
・甲状腺癌リンパ節郭清 |
51 |
0 |
・甲状腺全摘(or亜全摘)、リンパ節郭清 |
216 |
1(対側脳梗塞) |
うち、気管食道血管等合併切除 |
99 |
※1(頸部) |
うち、胸骨切除縦隔郭清 |
4 |
0 |
・甲状腺超亜全摘(バセドウ) |
22 |
0 |
・甲状腺全摘(良性) |
32 |
0 |
・葉切除、部分切除(良性) |
140 |
0 |
・副甲状腺摘出(1-3個) |
28 |
0 |
・正中頸のう胞根治術 |
5 |
0 |
・耳下腺、顎下腺腫瘍摘出 |
3 |
0 |
・副腎、後腹膜腫瘍摘出(腹腔鏡含む) |
10 |
0 |
・合併切除(VCI、腎臓、脾臓) |
1 |
0 |
合計 |
890例 |
3例 |
合併症率 |
0.34% |
備考
*上記全例調査はカルテ記録(証拠)に基づいています。