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VADチーム

重度心不全について

心不全は高血圧や弁膜症、心筋症など様々な原因によって心臓のポンプ機能が低下し、全身に必要な血液を送ることができなくなった状態です。 軽症では、心臓を保護する薬を内服することや日常生活での水分、塩分制限によって治療されます。一般的に心不全は徐々に進行し、下の図のように良くなったり悪くなったりすることで、命の危険がある状態(不可逆的な状態)になってしまいます。この不可逆的な状態が重症心不全であり、通常の治療では救命することが困難です。

そのため重症心不全にならないように予防すること(心不全ケアチームによる介入)が大事ですが、心筋梗塞など急激な心不全の進行(急性心不全)や、さまざまな治療を行っても改善せずに悪化していく(慢性心不全)場合があります。

重度心不全の治療法

急激に心不全が悪化した場合は、すぐに治療を開始しないと命にかかわるため、心臓の働きを肩代わりする補助循環が適応になります。まずは、従来から行われているPCPSやIABPといった補助循環を足の付け根から挿入し、全身の臓器への血流を維持します。さらに心不全が進行してこのような機械だけでは、心臓の負担を十分取り切れないときには、IMPELLAが適応になります。 IMPELLAが心臓の働きを肩代わりしますので、その間自分の心臓を休ませることで、心臓の回復を待ちます。回復が難しい場合は、IMPELLAをつけたままでは自宅に帰られませんので、次の段階の治療に進みます。

IMPELLAとは?

IMPELLAは左心室負荷を直接軽減する補助人工心臓のひとつです。足の付け根や胸の血管からカテーテルを挿入し、心臓の左心室にある血液を直接大動脈へ送り込み、心臓の働きを強力にサポートします。状態がよければ、IMPELLAを装着したまま、食事をしたり、立ったりすることができますが、集中治療室から出ることはできません。その間に心臓を休め、心臓の回復を待ちます。急性期の1-2週間程度の補助に有効ですが、長期間の補助(数か月から数年単位)はできません。 IMPELLAは、具体的には超重症心不全症例の心不全が悪化した場合や急性心筋梗塞や劇症型心筋炎で搬送された超重症患者さんの治療に極めて有効であり、当院でも導入当初よりその威力を発揮しています。 当院は、2018年7月、補助循環用ポンプカテーテル(IMPELLA)実施施設として認定されました。これは大阪市内で初めての導入で、大阪府内でも市中病院では最初の実施施設となります。

IMPELLA(左から IMPELLA2.5、IMPELLA5.0、制御装置、補助循環用ポンプカテーテル)
IMPELLAkiki.png

 

VADとは?

回復が難しいほど悪化した重症心不全では、弱ってしまった心臓を脳死になった方から提供された心臓と取り換える「心臓移植」が最も有効な治療法です。しかし、日本ではドナーとなる方が少なく年間50件程度の心臓移植しか行えないため、移植の待ち時間が非常に長くなっております。 この期間を乗り越えるために補助人工心臓(VAD)を装着し、日常生活に復帰して、心臓移植を待つ必要があります。 当院VADチームでは心臓移植実施施設の大阪大学医学部附属病院と連携して、VADをつけて移植待機されている患者さんが安全に心臓移植に到達できるようにサポートしております。
VADとはVentricular Assist Deviceの頭文字で、様々な原因で重度の心不全状態に陥ってしまった心臓の代わりとして血液循環を補助するポンプ機能を補う医療機器で、いわゆる補助人工心臓のことを言います。 近年、小型で体内に植込みが可能なVADが開発され、治療成績が向上しています。現時点では、移植までの橋渡しとしての使用のみ保険適応となっていますが、将来的には永久使用としてより多くの心不全患者さんの症状の改善、予後の延長に役立つと考えられております。 植込型VADは、ポンプ本体は体の中に植込まれ細いケーブルで体外のバッテリーとコントローラーに接続されています。手術は通常の心臓の手術と同様に人工心肺を用いて心臓に直接人工心臓のポンプを取り付けます。装着後は、2-3か月程度のリハビリを行い、人工心臓の使い方を習得してから自宅に帰ります。 その後は、月に1回外来に通っていただき、ある程度の制限はありますが、今まで通りの日常生活を送っていただきます。人工心臓を着けたことで、今までできなかった旅行に行くことができたり、仕事や学校に復帰したり、中には結婚式を挙げた方もおられます。

植込型補助人工心臓実施施設認定証.jpg

VAD機器
VAD機器.png

機器装着例
VAD装着イメージ.png

仕事や学校に復帰された方
VAD復帰後.png

VADチームの概要

IMPELLAや植込型VADは特殊な機械を使う治療であり、厳密な専門的管理が必要になります。そのため、心臓血管外科、循環器内科、看護師、臨床工学技士、理学療法士、薬剤師などの多職種で構成されたVADチームで適応や治療方針を検討して、治療、管理を行う必要があります。 また日常生活に復帰した後も、外来だけでなく、リハビリ、日常生活の支援などもVADチームが中心となって行います。

構成メンバー

心臓血管外科医(心臓血管外科専門医、植込型補助人工心臓実施医、人工心臓管理技術認定士在籍)
循環器内科医(循環器専門医在籍)
看護師(心不全看護認定看護師在籍)
臨床工学技士
薬剤師
栄養士
臨床検査技師
理学療法士
事務員

外来日

第4土曜日(予約のみ)

重度心不全患者さんへメッセージ

多くの心不全患者さんが、長い闘病の末にご年齢や体力を考えられ、もう回復することがないと諦めておられるのが日本の現状です。これは患者さんやご家族だけでなく、循環器を専門とする医師でもそのように考えられている方が大勢いらっしゃいます。 しかし、重症心不全は、決して治らない病気ではありません。 IMPELLAや植込型VADなど最新の治療法を含めて、あらゆる方法で皆さんの生命を守り、よりより生活を送ることができるように我々VADチームが手助けいたします。大阪市内の重症心不全治療の砦として決して諦めない心不全治療を地域の皆様に提供できたらと願っております。

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