がん診療サポート

看護相談

2F リボンズハウス内で看護相談を行っています。
毎週木曜日 10:00~15:00(予約不要)
がん化学療法認定看護師・緩和ケア認定看護師による「何でも相談」です。お気軽にご利用ください。

専門の看護師が以下の相談内容に対応しています。
  • 治療の選択に悩んでいる
  • 病気や治療に伴う症状(痛み、吐き気など)の対処方法が分からない
  • 抗がん剤治療に伴う症状(吐き気・脱毛など)について相談したい
  • 退院後の生活、家族、仕事のことで悩んでいる
  • 気持ちが落ち着かない、誰かに話を聞いて欲しい…など

※毎週木曜日 10:00~15:00(予約不要)

がん薬剤管理

薬剤師から患者さんへ

抗がん薬治療は副作用によるお体の負担や精神的不安など、患者さんにとって決して楽な治療ではありません。我々薬剤師は、それらの負担や不安を少しでも和らげて、患者さんに治療を続けていただけるよう努めています。

薬剤師の役割

調剤

抗がん薬の量は体の大きさ(体表面積)や体重、腎臓などの生理機能、体調、副作用の程度など患者さんの状態により決まります。薬剤師は処方された抗がん薬の量や投与スケジュールなどの妥当性を評価し、疑わしい点があれば医師に問い合わせをして確認しています。
また吐き気・嘔吐やアレルギーなどの副作用の発現を予防、軽減する「支持療法」を医師に処方提案しています。

抗がん薬混合調製

入院および外来の患者さんに投与される全ての抗がん薬は、薬剤師が混合調製をしています。抗がん薬の混合調製には正確性と無菌性が求められます。さらに各抗がん薬で溶解方法、取り扱い方法などが異なるため、正しい知識や技術を身につける必要があります。所定の教育を受け、それらを習得した薬剤師が混合調製を行っており、安心で安全な薬剤を患者さんに提供しています。また、混合調製は薬剤部内のクリーンルームに設置した安全キャビネット内の無菌的環境下で行っています。

安全キャビネット内での無菌混合調製

お薬説明

【入院患者さんに対して】
病棟薬剤師が、患者さんから服用中の薬やその服薬状況、アレルギー歴、健康食品の摂取状況などをお聞きし、抗がん薬の量や飲み合わせ、副作用の有無について細かくチェックを行っています。初めて抗がん薬治療を受けられる患者さんに安心、納得して治療を受けていただけるように、患者さんの症状、性格などに合わせた指導を心がけています。

【外来患者さんに対して】
通院で抗がん薬治療を受け、ご自宅で日常生活を過ごすこと出来るようになってきました。しかし同時に治療や副作用に対する不安を抱えながら過ごされている患者さん、ご家族は少なくありません。通院しながら安心して抗がん薬治療を受けていただけるよう、がん分野の専門的な知識を持った薬剤師が、治療の内容、副作用の対策、日常生活の注意点などについて説明しています。また、治療開始後は医師と協働して副作用の管理を行い、副作用を早期発見し重篤化を防止するなど、安心して治療を続けられるようにサポートしています。
当院では、安全かつより質の高い抗がん薬治療を目指し、地域の保険薬局に患者さんの抗がん薬治療の内容、実施状況、副作用の発現状況などの情報を提供しています。保険薬局では、患者さんから聞き取った副作用発現状況などを当院にフィードバックする体制を整えています。天王寺区の保険薬局薬剤師との連携強化と知識習得などを目的とした「天王寺区薬薬連携研修会」を開催するなど、地域の中で患者さんを継続的にサポートする体制づくりに取り組んでいます。

お薬説明用紙 など

指導風景

レジメンの作成

レジメンとは、抗がん薬の種類や量、投与スケジュール、治療期間、投与手順などを時系列で示した治療計画書をいいます。このレジメンでは、輸液や抗がん薬による副作用を予防、軽減する支持療法なども細かく決められています。適正な抗がん薬治療の実施や安全性の確保のためには、レジメンの管理が非常に重要です。
薬剤部では、医師から提出されたレジメン申請書に基づき、治療の標準化や医療安全の確保などを考慮し、薬学的な観点からレジメンを検討、作成しています。その後、医師や看護師等の多職種で構成される委員会で審議、承認を経て電子カルテシステムに登録しています。
なお、投与量や投与スケジュールは患者さんの状態により変更することがあります。

※レジメンは2022年2月時点の情報です

 

がん分野の専門的な薬剤師の育成・教育

当院は、日本病院薬剤師会より、「日本病院薬剤師会がん薬物療法認定薬剤師研修事業研修施設」に認定されています。がん薬物療法に必要な専門的な知識や技術を有する薬剤師の教育を行っています。

がん薬物療法認定薬剤師(日本病院薬剤師会):4名在籍
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がん口腔機能管理

周術期(がん)口腔機能管理とは

がん治療中で免疫力が低下している場合、口腔内細菌が誤嚥性肺炎や敗血症などの合併症を引き起こす原因となり得ます。またがん薬物療法や放射線療法による粘膜炎や感染症など有害事象の予防や緩和のためにも、口腔内環境を整えることが重要です。各診療科と連携して、治療前から口腔内スクリーニングを行い、周術期(がん)口腔機能管理を実施しています。

周術期(がん)口腔機能管理の流れについて

まず治療を行う主科が治療方針を決定します。歯科口腔外科に周術期(がん)口腔機能管理の依頼をいただいてから、口腔内診査を行い口腔機能管理計画を立案します。手術前後に専門的口腔ケアなど口腔衛生管理(図1)を中心に行います。がん薬物療法や放射線療法の場合も治療前後に口腔機能管理の依頼があれば介入します。治療が終了したら、かかりつけ歯科医院に継続的な口腔管理を依頼します。

【図1】

がん治療に伴う有害事例について

がん治療において手術療法・がん薬物療法・放射線療法時に口腔領域にも様々な有害事象が生じ、治療の妨げになることがあります。周術期(がん)口腔機能管理においては、口腔ケアのみならず口腔乾燥・粘膜炎・味覚障害などの評価も重要です。

チーム医療で支える

がん治療中に起こる様々な有害事象で治療が中断することなく遂行できるように、疼痛コントロールや感染予防、継続的な栄養管理が必要となります。当院では周術期管理チームが緩和ケアチームやNST(栄養サポートチーム)など他の医療チームと連携して、がん患者さんのサポートを行っています。

がんリハビリテーション

がんのリハビリテーションとは

日本では、平均寿命が伸び高齢化が増大するにつれて、2人に1人の割合で「がん」に罹患する時代になっています。一方で、早期発見と治療の進歩により、がん生存者(がんサバイバー)が増加しています。がんは様々な臓器に発生し、手術、化学療法や放射線療法などの治療過程で引き起こされる機能障害、身体症状や精神症状も多様であることから、日常生活動作能力の低下や制限をきたし、生活の質が低下する可能性があります。
「がんのリハビリテーション」とは、がんや、がんの治療による体への影響に対する回復力を高め、残存する身体能力を維持・向上させるための医療です。

がんの病期によるリハビリテーション医療の目的について

がんの病期は以下の4つの時期に分けられ、リハビリテーション医療はそれぞれの時期で目的が異なります。

予防期

診断後早期から、これからのがん治療による合併症の予防及び治療後の機能障害を最低限にすることを目的とします。

治療・回復期

手術や化学療法、放射線治療と並行して機能障害や動作制限からの回復を図ります。

維持期

再発・転移・腫瘍の増大により機能障害が進行しつつある時期に身の回りのケア、運動能力を維持、改善することを目的としています。

緩和期

疼痛コントロールや症状緩和を中心とした医療が行われる時期に、本人の要望を尊重しながら、身体緩和や精神的フォロー、安楽・安全な環境設定を行います。

当院におけるがん患者のリハビリテーション技術科への依頼数

当院は厚生労働省より、がんのリハビリテーションの施設基準認可を受けています。認可に必要な「がんのリハビリテーション研修」をほとんどのセラピストが修了しています。また、高齢化に伴い、がんであるとともに合併症、併存症を多く持つ患者さんが増えていますが、当院では各種疾患・障害のそれぞれを治療した経験を持つセラピストが多く、がん治療と同時にそれらに対する配慮も十分行うように心がけています。

 2021年(1-12月)リハビリ依頼数(表1参照)
  理学療法(PT):1250件
  作業療法(OT):260件
  言語療法(ST):191件
  合計:1701件

 2021年リハビリ治療を行なったがん患者のべ数;12629人
                 実施単位数;14032単位

 

周術期リハビリテーション〜「予防期」「回復期」のリハビリテーション

手術後の痛みで体を動かすことができなかったり、億劫になったりすることで筋力や体力の低下をきたすことがあります。また痰が詰まりやすくなり、誤嚥を起こして、肺炎や無気肺といった合併症を起こすことがあります。当院では、それらのリスクの特に高い方々に対しては、「周術期チーム」が術前に評価し、どのように介入していけば良いかを検討し、予防的に呼吸リハビリテーションや運動指導、嚥下評価や訓練を行なっています。
手術後は、通常翌日から身体状況に合わせて早期離床を促していきます。
集中治療室、あるいは病室で、医師、看護師、理学療法士を中心に、まずはベッドから起きあがることから始め、座位、立位、歩行へと段階的に身体を動かしていきます。より早く術前の動作レベルに戻していくことで、日常生活に必要な身体機能を維持、再獲得できるようになります。また、患者さんご自身にも自主的にトレーニングしていただくよう、運動メニューを指導していきます。
咽頭喉頭や口腔、食道の手術では、嚥下能力の低下によって誤嚥性肺炎をきたす可能性があるため、術前に飲み込む能力を評価しておき、術後にも再評価して段階的に嚥下訓練を実施し、安全な食事ができることを目指します。同時に、「栄養サポートチーム」の介入により、早期の経口摂取が得られない場合には、回復に必要な栄養量を計算しサポートしていきます。

維持期のリハビリテーション

化学療法や放射線治療による治療中には、筋力低下や身体機能の低下が起こりやすくなります。治療による身体への負担や精神的なストレスを感じたり、気分が沈んだり、食欲が低下したり、だるさ・倦怠感のために活動性が低下することもあります。 このような状態が続くと、徐々に筋力が低下し、わずかな運動・動作を行うだけで多くのエネルギーを消費してしまい、疲れやすくなります。その結果、さらに動きにくくなり、動けなくなるために体力がますます低下する、といった悪循環に陥ってしまうかもしれません。そうならないためには、運動の継続と栄養管理がとても重要です。身体機能を高め、疲れにくい身体を維持するとともに、運動することは気分転換にもなり、精神的苦痛が軽減されることが期待できます。
この時期の運動には、歩行や自転車エルゴメーターを利用した中等度の有酸素運動、自重などを利用した筋力トレーニングの継続が推奨されます。

緩和期のリハビリテーション

がんの進行とともに、体力が低下し、自分で動くことが難しくなってくる時期には、残存能力を評価し、本人の要望を十分に尊重して自分で動いたり、食事したり、話したり、排泄したりできるよう、定期的に運動を行い、ベッド周囲の生活環境を整え、補助具を利用したり、動作や安静における姿勢(ポジショニング)を工夫するようにします。出来るだけ、安楽に呼吸できる、息苦しさや痛みの少ない姿勢をとれるように調整します。
これらのリハビリテーション医療を実践するには、多職種が参加する医療チームが重要な役割を果たすと考えられています。当院では、「周術期管理チーム」「栄養サポートチーム」「呼吸療法チーム」「ブレストケアチーム」「創傷管理チーム」「緩和ケアチーム」などが必要に応じて関わり、リハビリテーション技術科スタッフは、それぞれのチームに所属・連携して、個々の患者さんのリハビリテーション治療に携わっています。

関連ページ

・それぞれの医療チームのページ
・理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)の役割について

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