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糖尿病・内分泌内科

科の特色

 当科では糖尿病、脂質異常症、高血圧症、肥満症、骨粗鬆症を中心とした生活習慣病、甲状腺・副腎・下垂体・副甲状腺・性腺疾患などの内分泌疾患の診療を幅広く行っております。また、ER・救命救急科と連携して糖尿病患者さんのシックデイ対応、低血糖昏睡、高血糖昏睡(高血糖高浸透圧状態、糖尿病性ケトアシドーシス)、甲状腺クリーゼ、粘液水腫昏睡、副腎クリーゼ、電解質緊急症(低Na血症、低K血症、高Ca血症、低Ca血症)などの救急疾患も積極的に受け入れております。

対象とする主な疾患の診療に関して

糖尿病について

  本邦における2型糖尿病患者さんの増加は著しく、特に高齢糖尿病患者さんの増加は深刻な問題となりつつあります。高齢糖尿病患者さんでは通常の糖尿病血管合併症(網膜症、腎症、神経障害、脳血管障害、心血管障害、末梢動脈疾患)に加え、高齢者特有の認知症、サルコペニア、フレイル、骨系統疾患を合併することが多く、これらの疾患に対する精査・治療介入も必要とされます。さらに、現在、糖尿病患者さんの死因の第1位である悪性疾患に関しては、大腸癌、膵癌、肝臓癌などは糖尿病患者さんで発症リスクが高まることより、これら悪性疾患を念頭においた診療も求められる時代にもなってまいりました。また、高齢糖尿病患者さんの血糖コントロール目標に関しては、2016年5月より患者さんの年齢、低血糖リスクのある薬剤(インスリン、SU薬、グリニド薬など)の有無、認知機能、ADLに応じて個別に設定することが推奨されるようになりました(図1)。さらに、この目標値に関しては、HbA1cの下限値が設定されましたが、この背景には、目標値を厳しく設定することによって生じる重症低血糖が高齢者の認知機能、フレイル、脳血管障害、心血管障害、転倒・骨折等に悪影響を及ぼすためとされています。

図1

  しかし、日常診療において、患者さんの病態、認知機能・ADLの評価、血管合併症、サルコペニア、フレイル、骨系統疾患、悪性腫瘍の評価・介入の全てを目指した診療は困難であります。さらに、高齢者では低血糖の自覚が乏しく(無自覚性低血糖)、特に自己血糖測定を行っていない患者さんでは低血糖の発見も容易ではありません。このような糖尿病診療で抱える諸問題を解決するためには、1~2週間の教育入院での精査・加療が望まれますが、全ての患者さんに教育入院を行うことは現実的には不可能であります。
 そこで、当科では少しでもこれらの問題を解決すべく糖尿病の病態(インスリン分泌能、無自覚性低血糖の発見を含めた血糖日内変動)、血管合併症、サルコペニア(握力、歩行速度、Inbodyを用いた四肢筋肉量測定)(図2)、認知症(MMSE、MoCA-J、DASC21での評価)、ADL(DASC21を用いた評価)、悪性腫瘍(腹部超音波検査、便Hb、腫瘍マーカー)をまとめて評価・診療する3泊4日(金曜日午後~月曜日午前)の週末入院(図3)を行っております。この入院は、主治医はもとより患者さんやそのご家族の方にも大変ご好評を頂いております

 

図2

 

図3

  一方、高齢者糖尿病とともに現在、問題となっているのが、肥満を合併した糖尿病患者さんの増加であります。肥満患者さんの増加の背景には食生活の変化、運動不足が大きな要因としてあげられますが、糖尿病治療薬(SU薬、インスリン製剤等)の不適切な使用による肥満の助長もあげられます。肥満は糖尿病の病態を様々な観点から悪化させ、血糖コントロールを困難とします。さらに、肥満は糖尿病の血管合併症の増悪因子となるのみならず、糖尿病患者さんの新たな合併症である、認知症、サルコペニア、悪性腫瘍の病態にも関わります。したがって、糖尿病患者さんの肥満は是正すべき大きな課題であります。そのようななか、幸いにも、近年、減量効果の期待できる糖尿病治療薬(GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬)も登場し、これらの薬剤を適切に使用すれば、一部の患者さんでは肥満の是正も達成することが可能となってまいりました。ただ、これらの薬剤をやみくもに使用すればいいというわけではなく、対象患者さんを見極め、副作用を極力ださないよう使用することが肝心となります。そのためにも、患者さんの病態・背景を適切に把握し治療することが重要であり、上述の週末入院を利用することが非常に効果的と考えられます。

 また、週末入院が困難な患者さんに対しては、血管合併症を少しでも効率的に評価する合併症外来(土曜日午前)を積極的に受診して頂くようにしております。その他、2週間糖尿病教育入院、一時的糖毒性軽減のためのインスリン導入入院、1型糖尿病のポンプ(SAP)導入(下図)も積極的に行っております。また、糖尿病ケア外来ではフットケア、インスリン導入、自己血糖測定指導等を行い、さらに、患者さんへの教育として外来糖尿病教室(下表)を月1回実施しております。

 

 

糖尿病教室プログラム

時間 テーマ 講師
1 2016年
 6/4(土)
9時40分~
10時25分
簡単食事療法 管理栄養士
10時30分~
10時45分
休憩(一緒にラジオ体操をしましょう)  
10時45分~
11時30分
糖尿病の治療と合併症について
~「しめじ」と「えのき」を予防しましょう~
医師
2 2016年
 7/2(土)
9時40分~
10時25分
今日からできるお口のセルフケア 歯科衛生士
10時30分~
10時45分
休憩(一緒にラジオ体操をしましょう)  
10時45分~
11時30分
足切断にならないためにはどうしたらいいの? 看護師
2016年
9/3(土)
9時40分~
10時25分
食品の表示を見てみよう!
~炭水化物とトクホなど・・・~
管理栄養士
10時30分~
10時45分
休憩(一緒にラジオ体操をしましょう)  
10時45分~
11時30分
1型糖尿病の新しい治療について
~インスリンポンプ・SAP療法について~
小児科医師
4 2016年
10/1(土)
9時40分~
10時25分
糖尿病のおくすりの話 薬剤師
10時30分~
10時45分
休憩(一緒にラジオ体操をしましょう)  
10時45分~
11時30分
血糖値の下がりすぎにはご用心!
~本当は怖い低血糖のお話~
看護師
5 2016年
 11/5(土)
9時40分~
10時25分
糖尿病の合併症を予防するための運動療法 理学療法士
10時30分~
10時45分
休憩(一緒にラジオ体操をしましょう)  
10時45分~
11時30分
糖尿病合併症と検査のお話 検査技師
6 2016年
 12/3(土)
9時40分~
10時25分
年末年始を上手く乗り切る食事の注意 管理栄養士
10時30分~
10時45分
休憩(一緒にラジオ体操をしましょう)  
10時45分~
11時30分
糖尿病と認知症やがんとの関係について学びましょう 医師
7 2017年
 2/4(土)
9時40分~
10時25分
高齢者でもできる運動療法の実際 理学療法士
10時30分~
10時45分
休憩(一緒にラジオ体操をしましょう)  
10時45分~
11時30分
~最新の話題~
糖尿病と虚弱(フレイル)について
医師
8 2016年
 3/4(土)
9時40分~
10時25分
塩分制限について 管理栄養士
10時30分~
10時45分
休憩(一緒にラジオ体操をしましょう)  
10時45分~
11時30分
糖尿病性腎症のお話
~透析治療を予防するためには~
看護師

 

甲状腺疾患について

 甲状腺疾患は甲状腺腫瘍、機能亢進症・中毒症(バセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、プランマー病など)、低下症(橋本病など)、バセドウ眼症の診療を行っております。甲状腺腫瘍は、超音波・血液検査の結果、必要に応じてFNAC(甲状腺穿刺吸引細胞診)(下写真)による病理診断を行い治療方針の決定を行っております。手術が必要な場合は当院の乳腺内分泌外科(甲状腺外科)に紹介し手術を行っております。また、バセドウ眼症に関しては、放射線治療科と連携し入院にてステロイドパルス+放射線治療を行っております。

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● 甲状腺穿刺吸引細胞診 

 

副腎疾患について

 最も多い疾患は原発性アルドステロン症となります。原発性アルドステロン症は高血圧患者さんの5~10%存在すると考えられておりますが、非常に多くの患者さんが診断されないまま本態性高血圧として治療されている現状があります。原発性アルドステロン症では年齢・血圧が同等の本態性高血圧に比べ脳卒中、冠動脈疾患、心肥大、心不全、心房細動などの脳・心血管合併症の頻度が高いことが報告されています。当科では原発性アルドステロン症の積極的なスクリーニング(全例が望ましいが、疑わしい症例(下表))を行い、診断確定され、手術希望がある場合は、副腎静脈サンプリングを行い、片側性の場合は当院泌尿器科にて副腎腫瘍摘出術を行っております。一方、手術希望がない、あるいは両側性病変の場合はアルドステロン受容体拮抗薬等による薬物治療を行っております(下図1)。

原発性アルドステロン症高頻度の高血圧群

低カリウム血症合併例(利尿薬誘発例を含む)
若年者の高血圧
Ⅱ度以上の高血圧
治療抵抗性高血圧
副腎偶発腫合併例
40歳以下での脳血管障害発症例

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(日本内分泌学会雑誌 92 Suppl. 2, 2016より引用)

その他、副腎偶発腫瘍、褐色細胞腫、クッシング症候群、先天性副腎過形成、副腎皮質機能低下症などの疾患の診療を積極的に行っております。

 

視床下部・下垂体疾患について

 下垂体腫瘍(プロラクチノーマ、先端巨大症、非機能性腫瘍など)、下垂体機能低下症、尿崩症、SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)、トルコ鞍空洞症(Empty Sella)、リンパ球性・IgG4関連下垂体炎などの精査・加療を行っております。下垂体疾患は不定愁訴の精査から発見されることが多いため、疑いをもって精査を行うことが重要です。当科においてもMRIによる画像検査、負荷試験による積極的な精査を行っております。下垂体腫瘍で手術が必要な場合は当院脳神経外科に紹介させて頂いております。

下垂体機能低下症、尿崩症ではホルモン補充療法を行い、リンパ球性・IgG4関連下垂体炎に対しては必要に応じてステロイド治療を行っております。

副甲状腺疾患

 高Ca血症、低Ca血症を契機に診断される疾患となります。高Ca血症をきたす疾患としては薬剤性の高Ca血症、原発性副甲状腺機能亢進症、家族性(後天性)低Ca尿性高Ca血症、悪性腫瘍に伴う高Ca血症、サルコイドーシス、副腎不全などがあります。低Ca血症をきたす疾患としては、ビタミンD欠乏症(最近多いです)、原発性副甲状腺機能低下症、偽性副甲状腺機能低下症などがあります。血清Ca値の異常による症状は、下垂体機能低下症と同様に非特異的あるいは無自覚であることより、不定愁訴の患者さん、あるいは他疾患で定期通院中患者さんには一度は血清Ca値の測定を行うことが重要と考えられます。

最後に

 当科では生活習慣病、内分泌疾患ともに積極的な院内・院外連携により診療を行っております。糖尿病患者さんの合併症は院内の循環器内科、脳外科、神経内科、眼科、泌尿器科、精神科と連携し、糖尿病腎症の管理は、NTT西日本病院腎臓内科、大阪医療センター腎臓内科との病病連携を行っております。内分泌疾患に関しては脳外科、泌尿器科、乳腺内分泌外科との積極的な院内連携を行っております。また、院外連携におきましては、地域開業医との病診連携、大阪大学内分泌・代謝内科との多施設共同臨床研究を積極的に行っております。特に病診連携におきましては、ご紹介頂いた患者さんは必ず紹介医にお戻しするようしております。また、病状の安定した患者さんは積極的に地域の先生方に逆紹介を行っております。

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