医療技術部

病理技術科

ご挨拶

 病理診断科、病理技術科は病気の確定や治療に深く関わっている重要な部署です。
最新の診断検査状況にも対応できるように医師、技師とも論文発表、学会発表、そして学会や研修会に積極的に参加し技術の研鑽に努めています。また検査の精度管理や医療事故防止対策にも取り組み、患者さんに安心して受診、治療していただけるようより的確に!より早く!をモットーに頑張っています。

組織構成

 当科は病理診断科医師3名、病理技術科技師10名と医療事務1名で病理組織診断、術中迅速診断、細胞診断、病理解剖等の業務を行っています。

業務内容

病理組織診断

 近年、増加している医薬品の効果や副作用を投薬前に予測するための検査(Companion diagnostics:CDx)、薬剤に対する患者個人の反応性を治療前に検査する個別化医療(オーダーメイド医療)に対応できるよう免疫組織化学染色(IHC)や分子組織化学染色(DISH)などの技術の自動染色装置を導入し、より的確な診断の為に活用しています。さらに、画像解析装置を導入し、より正確な診断、客観的な判定、診断に役立てています。

 胃カメラや大腸ファイバー等で取ってきた組織片から標本を作って顕微鏡で観察し良性か悪性か診断します。このほかいろんな場所の組織からの標本を作り診断します。また手術で取り出した臓器(組織)は細かく標本を作り、良性の腫瘍か悪性か、癌ならば浸潤しているか、広がりはどのくらいか、転移はあるか等を肉眼や顕微鏡標本を観察し診断します。その結果により抗癌剤などの摘要が決定されます。

術中迅速診断

 癌の手術中に必要が生じた場合に、切除した臓器の断端の部分やリンパ節に癌があるか調べる検査です。組織を凍らせて特別な機械で薄く切り、染色し、顕微鏡で観察・診断、報告します。

 この間15~20分、この結果により手術の切除範囲やリンパ節の郭清の程度が決まります。迅速性と正確が要求される重要な検査です。




細胞診断

 尿や喀痰、子宮頸部の擦過細胞等の材料から顕微鏡標本を作り、癌細胞を探して膀胱癌や肺癌、子宮癌等の診断をします。この検査は患者さんに苦痛を与えずに材料がとれる利点があります。

 また最近では乳腺や甲状腺等の腫瘤に直接細い針を刺して細胞を取り検査をする方法も行われます。これは多少痛みを伴いますが腫瘤から直接細胞を取るため診断の精度が高くなります。

病理解剖

 病院で病気が原因で亡くなった患者さんに対して遺族の承諾を得て行う解剖です。
なぜ亡くなったのか、病気がどこまで進んでいたのか、治療の効果はどうだったのか等を調べるために行います。患者さんが受けられる最後でまた正確な診断の機会です。この結果は症例検討会で報告され次の治療に受け継がれます。