医療技術部

栄養管理科

ごあいさつ

 当科は糖尿病療養指導士・NST専門療法士・NSTコーディネーター・病態栄養認定管理栄養士・がん病態栄養専門管理栄養士などの資格を持つ管理栄養士4名と給食スタッフで構成されております。
 食べること、栄養をとることは、私たちが生きていく上で必要不可欠なことであり、こと病院においては病気の治療術後の治癒などに大きく影響することでもあります。このことから私たちは病院食を治療の一環と捉え、安全・安心な治療効果の高い食事を提供し、“個々の患者さんに応じた栄養サポート”をモットーに業務を行っております。また、各種医療チームにも参画し他職種と連携して、専門性を生かした活動も行っております。

入院中のお食事

 医師の指示により、患者さんの病状や病態に合わせた栄養配分、ならびに摂食・嚥下機能を考慮した食形態の食事を提供しております。また化学療法中などで食欲が低下した患者さんにはセレクト食(約20種類のメニューからお選び頂けます)も提供しております。さらに、お正月・ひな祭り・七夕・クリスマスなどには四季折々の食材を献立に取り入れた行事食も提供しております。

普通食一例
治療食一例
産食一例
セレクト食一例
行事食
季節の変わりご飯
旬の食材を取り入れたご飯をメッセージカードとともに提供しております。

豆ごはん

新生姜ごはん


栄養食事指導

 入院・外来を問わず、医師の指示に基づいた栄養食事指導を予約制で行っています。食事療養でお困りの方や、食事療養に興味がある方は是非主治医にお申し出ください。ご家族様もご一緒に受けていただけます。

個別指導

 糖尿病・高血圧症・脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病や腎臓病・心疾患に対する食事指導とともに、1型糖尿病患者さんへのカーボカウント、食物アレルギー患者さんに対するアレルギー除去食の指導など様々な疾患や病状に応じて個別指導を行っております。また、外科手術を受けられる患者さんには、術前から積極的な栄養管理を行うことで術後の早期回復につながるよう、周術期の食事療法にも力をいれています。
 さらに、高齢患者様には、昨今話題になっているフレイル(要介護の予備群)の原因となるサルコペニア予防のための食事指導も行っております。(下記の栄養トピックス参照)

指導風景の様子

2022年の栄養指導実績

指導
実績
件)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 合計
332 320 326 267 247 265 278 294 272 278 294 272 2,601
集団指導

医師や看護師、その他の医療スタッフと協働して、外来糖尿病教室入院糖尿病教室心不全教室を開催し、その内容の一環として栄養食事指導を行っています。

入院糖尿病教室 月2回の開催 食事療法の基礎、高血圧、コレステロール、外食についてなどのポイントを説明します。
外来糖尿病教室 年6回ほど開催 テーマは毎回異なるので、食事療法の色んな話題を勉強できます。
心不全教室 月2回の開催 日常生活での減塩の工夫などをお話しします。

栄養トピックス

カーボカウント

血糖コントロールの手段の一つとして、主に1型糖尿病の方の食事療法で利用されています。カーボ(炭水化物)、カウント(数える)の意味通り、食事の炭水化物量に着目して血糖値をコントロールする方法です。炭水化物は血糖値が上がりやすい特徴がありますが、身体にとっては大事な栄養素です。食べる炭水化物量によってインスリンを調整することで、低血糖や高血糖のリスクが減り、食事の幅も広がります。

フレイルとサルコペニア
サルコペニア ギリシア語でサルコ(肉)、ぺニア(減る)の言葉から出来た造語です。加齢に伴う筋肉量の減少に加えて筋力・身体機能が低下した状態を意味します。
フレイル(虚弱) 健康な状態と要介護状態(日常生活でサポートが必要)の中間の状態のことです。

寝たきりになるリスクが増加

適切な栄養管理(エネルギーやたんぱく質の摂り方など)と運動療法を行うことで予防・改善に繋がると言われています。

体成分分析検査(In Body)

 身体を構成している水分量や筋肉を構成するタンパク質量、主として骨の構成成分であるミネラル量、体脂肪量などを高精度体成分分析装置で測定しております。この検査で得られたデータは、栄養状態を評価する大切なデータとして各診療科や栄養指導で活用されております。

栄養サポートチーム(NST)

 医師、歯科医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、リハビリテーションスタッフからなる専門スタッフがそれぞれの知識や技術を持ち寄り、協働して患者さんの栄養管理を行っております。また、日本静脈経腸栄養学会認定のNST専門療法士受験のために必要な実地修練生の受け入れも行っています。
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