診療体制のご紹介
Introduction of medical treatment system
専門・認定看護師活動について
リソースナースのご紹介
当院では、専門看護師・認定看護師・セラピストが様々な専門看護分野で活動しています。患者さんやご家族を中心に、医師や看護師、コメディカルと協働し、よりよい医療・看護の提供に取り組んでいます。またスペシャリストとしての連携を図り、さらなる看護の質の向上を図るためにリソースナース会も運営しています。

がん化学療法看護認定看護師 (有働みどり 玉田加寿)
日本人の2人に1人ががんに罹患する時代となり、がんの3大治療であるがん化学療法(抗がん剤・分子標的治療)も多くの薬剤が開発され、年々複雑になっています。がん化学療法を受ける患者さんは治療によって副作用が伴うこと、治療期間が長期になること、治療費が高額になることなど様々な問題を抱えています。認定看護師としての主な活動は、患者さんに安全で適正な治療を安楽に受けて頂く環境を整えること、自宅での副作用に関するセルフケアへの支援、心理的・社会的サポートなどです。患者さんやご家族が、納得した上で治療が受けられ、病気と向き合っている患者さんの状態を最良に維持できる医療環境作りを目指して頑張っています。そのため、専門的知識を持った看護師の育成は勿論のこと、医師、薬剤師、医事担当者など多職種と協働したチーム活動も行っています。
感染管理認定看護師(寺地つね子 安城千春)
院内外の感染症の動向に注意し、院内の患者さんや医療従事者の感染症の発生をモニタリングすることで予防や早期発見、早期対応が出来る様にリンクナースや現場のスタッフと協力しながら活動しています。また院内だけでなく他施設の感染管理担当者と連携し、定期的に相互の施設のラウンドやカンファレンスを行い感染対策の評価を行っています。院内すべての職員からの相談や地域の他施設からの相談にも対応しています。
皮膚・排泄ケア認定看護師(阪口裕子 富田直美)
皮膚・排泄ケアとは、褥瘡(床ずれ)などで、皮膚表面に障害が起きてしまった方や人工肛門や人工膀胱などの(ストーマ)造設や、便や尿失禁などの排泄で問題がある方に対しケアを行う専門の看護師です。
褥瘡ケアでは病棟看護師と協力して褥瘡予防ケアを中心に活動しています。ストーマケアでは看護ケア外来でストーマ周囲のスキンケアや装具の相談を個別に行っています。失禁ケアは排尿や排便に関する問題がある患者さんの相談に応じています。患者さんの療養生活が安全で快適となるように活動しています。
救急看護認定看護師(越宗厚子)
救急看護認定看護師は、一次救命処置・二次救命処置など急変時に関するあらゆる対応、危機状況にある患者家族に対して精神面への援助を実践します。また、フィジカルアセスメント、呼吸理学療法など救急に関連する看護技術等に関して、他の看護職者の指導や相談に乗っています。さらには、看護部の協力で看護CPRチーム会のメンバーと協働しながら、救命技術教育や関連研修も行っています。
緩和ケア認定看護師(岡嶋洋子 大前敬子)
がんや重症心不全の患者さん・ご家族が抱える身体・心・生活面などのつらさをやわらげ、病と向き合いながら、より豊かな人生を送ることができるように支えていく役割があります。外来・病棟、地域の医療機関などと連携をとりながら、緩和ケアチーム(医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士・作業療法士・ソーシャルワーカーなど)で対応しています。また、看護師のサポートを行い、より質の高い緩和ケアを提供するための活動を行っています。
集中ケア認定看護師(仁科典子 小泉希代子)
集中ケア認定看護師には、2つの特化された技術があり、①急性かつ重篤な病態を理解した患者の日常生活援助、②障害の程度を最小限にし、回復を促進する早期リハビリテーションです。主に集中治療室での対応になりますが、生命維持に必要な多くの医療機器に囲まれ、自分で体を動かすことや、会話することも出来ない非日常的な環境・状況の患者さんおよびそのご家族に、生活者という視点を大切にしながら質の高い看護の提供をさせていただきます。
手術看護認定看護師(飯沼幸子)
手術看護認定看護師が期待される役割として、「心身の手術侵襲が最小限になるよう看護実践や、チームのマネジメント及び他部門との協調・調整、実践を通して役割モデルを示す、倫理的感受性を高め、患者・家族の擁護者として配慮する、安全管理についての知識を熟知し、リスクを回避するためにリーダーシップを発揮する」とあります。人生の中で大きな決断である手術を決意した、患者やその家族の思いに添って、周手術期を通して患者中心の看護が継続されるべく、専門性を発揮し患者を擁護し、安全で質の高い手術医療を目指して活動しています。また、患者の回復過程を見据え、手術チーム個々の専門性が発揮できるよう、実践指導に取り組んでいます。
心不全看護認定看護師(深水愛子)
慢性心不全患者さんおよびご家族に対して、心不全の増悪因子を評価・モニタリングすることで、患者さんに合わせた生活調整を行い、また、症状緩和のためのマネジメントを緩和ケアチームと協働することで、生活の質が維持・向上できるよう支援を行っています。
具体的には、心不全看護外来・VAD(植込型補助人工心臓)外来を担当しています。医師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士・臨床工学技士など多職種が協働し、心不全ケアチームとして心不全教室の開催、また、心臓リハビリテーションチーム・VADチームなど、医療チーム全体で患者さんの生活を支援しています。
乳がん看護認定看護師(島田真由美)
乳がんは女性のがん罹患率第1位で、ピークは40歳代後半~50歳代です。この年代の女性は働き盛りで、家庭や仕事において役割が大きく、乳がんと診断されることは、ご本人だけでなく周りのご家族にも大きな影響を及ぼします。そのような患者さんやご家族に対し、具体的な情報提供を行い、その人らしく生活を過ごせるよう支援することが乳がん看護認定看護師の役割です。手術による外観の変化、治療に伴う副作用、妊娠、お子さんや親への病気の伝え方などさまざまな問題に対しサポートします。医師、看護師、薬剤師、検査技師など多職種で構成されるブレストケアチームと協働し、効果的な支援を提供できるよう取り組んでいます。
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師(江良美鈴 曽我部惠子)
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師に期待される役割として「脳卒中における機能障害のある患者のQOL向上を目指して、急性期から病態に応じた個別性、専門性高い看護、活動性維持・促進のための早期リハビリテーションを実践する。一貫した生活再構築に向けたプロセス管理とセルフケア能力を高めるための回復支援を行う。脳卒中リハビリテーション看護の専門的知識と実践力を通して、看護スタッフの指導・相談を行い他職種と協働しチーム医療及び地域連携を推進する」とあります。突然発症し、後遺症で生活再構築をせざるを得ない状況になった患者さんやご家族の方の今後を共に考え、多職種で協働しチーム全体で支援していきます。発症・再発予防のための健康管理にも取り組んでいます。
認知症看護認定看護師 (岡本 光世)
超高齢社会の中、認知症者や高齢者の方が急性期病院で治療・入院をされることが増加してきています。認知症者や高齢者の方は、入院による環境の変化・疾患による苦痛などから、行動心理症状やせん妄が生じやすくなります。認知症看護認定看護師は、それらの症状を予防・緩和し、患者さんの立場に立って安心して入院生活が送れるよう支援する役割を持っています。そのため現在の活動として「せん妄・認知症看護ケアチーム」に所属し、リンクナースと共に看護の質向上を目指しています。また、認定看護師の役割である「実践」「指導」「相談」を通して他職種と共働し、個人を尊重した治療・療養環境を提供できるよう取り組んでいます。
医療リンパドレナージセラピスト【リンパ浮腫ケア】 (大前敬子 島田真由美 玉田加寿 村田弘実 工藤二三香 村田つかさ 柏木久美子)
リンパ浮腫とは、手術や放射線治療などが原因でリンパ液の流れが滞ることによって、その滞った部位(腕や足など)がむくんでしまうことをいいます。私たち医療リンパドレナージセラピストは、複合的なケアを組み合わせて、一人ひとりに合った方法を共に考えます。リンパ浮腫とうまく付き合いながら、よりよい生活が送れるようサポートしていきます。
看護ケア外来のご紹介
近年の医療科学技術の発達にともなって、感染症などの急性疾患からがんや糖尿病などの慢性疾患へと疾病の構造は変化しました。慢性疾患をもつ人の病気との付き合いは長期にわたり、その過程でさまざまな問題が発生して生活に支障をきたすことがあります。また、病気とどのように付き合っていけばいいのかわからず困っている間に病気が悪化することもあります。
そこで、私たち看護職は、日々、病棟や外来で患者さんやご家族と接する中で、病気とともに生きていく方々を継続して看護する場を作りたいと考えるようになりました。そのような思いを共有した看護師たちの奮闘によって、誕生したのが“看護ケア外来”です。以下、私たち看護師たちが心をこめて看護を提供する“看護ケア外来”をご紹介します。
看護ケア外来は、医師をはじめとする多職種とのチーム医療を基盤に、専門性を高めた看護師が主体となって行っている外来です。それぞれ専門分野はありますが、看護ケア外来を担当している看護師は、看護ケア外来活動の目的を共有し、患者さんが必要としている看護を必要に応じて、適切に提供できるように、日々、努力しています。お困りのことがありましたら、ご遠慮なくご相談ください。
看護ケア外来活動の目的
- 病気をもつ身体の理解を深め、身体を気づかっていけるように援助する
- 患者さんが、病気をもっていてもその人らしい生活が送れるように支援する
- 継続して支援することをとおして、疾患や症状を管理し、合併症を予防して、
患者さんの生活の質(QOL)を高めることを支援する - 患者さんとご家族の看護への信頼を得て、質の高い医療の保証に貢献する
当院に開設されている看護ケア外来
看護ケア外来 | 実施診療科 / 担当 |
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糖尿病ケア外来 (≫詳細) |
【内科外来】 糖尿病看護認定看護師 内科外来看護師(日本糖尿病療養指導士、大阪糖尿病療養指導士) |
ストーマ看護ケア外来 (≫詳細) |
【外科外来 ・ 泌尿器科外来】 皮膚・排泄ケア認定看護師、ストーマケア講習修了者 |
リンパ浮腫看護ケア外来 (≫詳細) |
【乳腺内分泌外科・婦人科外来】 緩和ケア認定看護師、乳がん看護認定看護師 がん化学療法認定看護師、医療リンパドレナージセラピスト講習修了者 |
在宅酸素療法看護ケア外来 (≫詳細) |
【呼吸器科外来】 呼吸器科外来看護師 |
禁煙サポート看護ケア外来 (≫詳細) |
【呼吸器科・内科・循環器科・脳神経外科】 日本禁煙学会専門看護師、日本禁煙学会認定看護師資格者、セミナー受講者、各科外来看護師 |
在宅排尿看護ケア外来 (≫詳細) |
【泌尿器科外来】 泌尿器科外来看護師(排尿ケア講習会修了者) |
心不全看護ケア外来 (≫詳細) |
【心臓センター】 心不全看護認定看護師 心臓センター外来看護師、循環器内科病棟看護師 |
手術看護ケア外来 | 【麻酔科外来】 手術看護認定看護師 |
看護ケア外来では、使用したガーゼや絆創膏などの衛生材料他、内容により、別に料金がかかります。
詳しい内容については、各看護ケア外来のページをご参照下さい。