麻酔科

麻酔科での研修・勤務を考えられている方へ

当院の麻酔科で研修・勤務を考えている医学生諸君・医師諸兄姉へのメッセージです。

 当院の麻酔科の特徴は、心臓血管外科、産婦人科、小児症例など幅広い範囲の症例を数多く実施していること、またER・救命救急センターを併設しており様々な緊急手術も日々行っていることです。2023年の麻酔科管理症例は5,366件と大阪市内でも有数の症例数であり、このうち緊急症例は436件でした。一方で日本麻酔科学会専門医が19名と揃っているため、初期研修医の麻酔科研修にとって非常に研修効果が高いはずです。経験の少ない若い医師にとっては耳学問も大切で、カンファレンスや実際の麻酔管理において他の研修医が受けている指導・助言をともに聞いたりする機会が多いことは、症例数の(したがって、麻酔科医の数も)多いことのメリットです。また稼動病床数525床という規模のメリットを生かして他科との関係も非常に良好でお互いに協力しながら手術診療に関わることが出来ています。今では安全な医療を行う上で多職種協働は欠かせない体制でありますが、当院では医師、看護師、薬剤師、臨床工学士、理学療法士などが一体となって診療に携わっておりチームの一員として患者さんに向き合うことが出来ます。さらに、当院は心臓血管麻酔専門医認定施設を取得しており、日本周術期経食道エコー認定資格者7名を中心に質の高い心臓血管外科麻酔管理を行っています。また痛みを持つ方々のためのペインクリニック外来を行っており、日本ペインクリニック学会指定研修施設として認定されています。麻酔専門医を目指し、また将来ペインクリニックを専門にしたいと考えている先生方にも研修効果の高い施設と考えています。麻酔科は院内ICUも担当しており、ここで術後経過をつぶさに観察することはよりよい術中管理へ還元することができ、意義が大きいと考えます。

多くの診療科で新しい専門医制度が2017年度より開始されていますが、麻酔科では他科に先駆けて、2015年度より新専門医制度が始まりました。

麻酔科では2019年度の専門医受験から新しい制度下で行われるということで、すでに後期研修中で2019年以前に旧制度で専門医試験受験した場合には、再受験時には新制度での受験が必要になります。

大阪警察病院は「阪大麻酔科専門医研修システム」及び「関西医科大学附属病院麻酔科専門研修プログラム」に所属しています。

→阪大麻酔科専門医研修システム

は、阪大病院を責任基幹施設とし、その下に14の基幹研修施設、さらに12の関連研修施設を加えた病院群で豊富な臨床研修を提供するものです。新しいプログラムでは6歳未満25例、帝王切開10例、心臓血管外科麻酔25例、胸部外科麻酔25例、脳神経外科麻酔25例の経験が受験までに必要ですが、今年度の後期研修医はこの1年ですべての症例数を経験できる予定です。後期研修医の皆さん、 他の施設からの異動を考えておられる麻酔科医の先生方大歓迎です。

→関西医科大学附属病院麻酔科専門研修プログラム

の特筆すべき特色は、麻酔科の各サブスペシャルティー(集中治療、心臓血管麻酔、区域麻酔、小児麻酔、呼吸器外科麻酔、産科麻酔、ペインクリニック、緩和医療)に精通した指導医より直接知指導を受けることができることです。全国規模にて各方面で活躍する指導医がたくさん在籍していますので、臨床における専門知識や技術の習得のみにとどまらず、研究に関する指導、また将来の進路などについていつでも相談することができます。

当院における麻酔科医の主たる業務は、以下の通りです。(2020年)

  1. 手術室(ハイブリッド室1室含む)12室における麻酔管理
    総麻酔管理件数:4,199件(緊急手術:561件)
    総麻酔管理時間:14,034時間39分
    夜間・休日は、時間外緊急要員として待機医1名
  2. 院内ICU
    院内ICU入院患者:679件
    麻酔科が主管、日勤・当直の2交代、担当各1名
  3. ペインクリニック外来
    ペインクリニック外来延べ患者:2,993名、月~金曜日 担当4名

麻酔科1日の流れ

麻酔準備

症例開始に間に合うように、各部屋で麻酔器、麻酔薬等の準備を行います。

ICUカンファレンス

前日までに入室した全症例について、治療方針を各科担当医と検討します。

 

症例カンファレンス

各担当症例について病歴の提示を行います。時には厳しい(?)質問も飛んできますが、自らのプレゼンテーションスキルを磨く絶好の場です。また、他の先生の発表を聞くことで限られた時間の中で様々な症例についての知識や麻酔計画等を学ぶことができます。

症例開始

毎日多種多様な手術がおこなわれます。手術内容のみならず、多くの症例が対策を必要とする合併症を持っており、大変ではありますが、やりがいを感じる毎日です。

担当症例は、毎週木曜日に翌週1週間分が決まります。

学会活動

学会発表・参加については積極的に奨励しています。また、様々なセミナーや勉強会への参加もおこなっています。



ここで子育てと仕事を両立させてがんばっておられる先生と、後期臨床研修医として当院麻酔科を選んで来ていただいた先生方の今の想いを以下に綴らせていただきます。大阪警察病院麻酔科の素の雰囲気を感じ取っていただければ幸いです。


大阪警察病院での麻酔科後期研修が始まり1年以上が経ちましたが、当院での研修に大変満足しております。
当院の麻酔科研修の特徴として、早い時期から一人で症例を担当するということが挙げられると思います。バラエティーに富んだ各症例や、心疾患や肺疾患をはじめあらゆる合併症をかかえた方の麻酔を試行錯誤しながら行う毎日は大変充実しています。
このように我々がのびのびと研修を受けられる背景には、4人の指導医の先生方を中心とした確固たるバックアップ体制があるからだといえます。責任感やストレスを感じることが多いのも事実ですが、症例を任せていただいているという期待に応えるべく、全ての患者さんに安心して手術をうけていただけるように日々研鑽しております。


私は他病院で2年間の初期研修をした後、当院で麻酔科研修を行うことを決めました。
当院では心臓血管外科症例、呼吸器外科症例、外傷、緊急手術、さまざまな合併症を抱えた症例の麻酔を経験でき大変内容の濃い麻酔科研修を行うことができています。また当院では少ない小児・新生児症例については、昨年2ヶ月間愛染橋病院で研修させて頂きました。
周術期の疼痛管理として超音波ガイド下末梢神経ブロックも積極的に行っており患者さんの周術期のQ.O.Lを良くしようとみんなで頑張っています。知識、経験の豊富な指導医のもと、自由かつ主体的に後期研修を行うことができます。大変良い環境であると思いますのでまずは見学に来て雰囲気を感じてみてください。


私は2年間の初期研修をこの大阪警察病院で行いました。実のところ、研修開始当初は将来の専門科として麻酔科を考えたことはありませんでしたが、必修、選択期間合わせて3.5ヶ月麻酔科を研修し、いつの間にかその面白さにはまっていたのでした。それというのも、多い症例数・濃い症例内容、充実した指導の下、比較的自由・自主的に、かつバックアップ体制はしっかりした中で研修させてもらっているおかげだと思います。この病院で麻酔科を研修していなかったら、今頃は別の診療科を選択していたかもしれません。


妊娠、出産し育児が少し落ち着き仕事の復帰を考えだした時、復帰することにより保育園のお迎えに間にあうだろうか、子供はさみしがらないだろうか急に熱をだしたらどうしようと色々不安がありました。
 警察病院で育児支援があると聞き働きだし麻酔科のスタッフの協力のおかげで夕方子供が寂しがらない時間に帰らせてもらっていますが、朝のカンファレンスから実際の麻酔業務まで内容の濃い医療に携われる喜びを感じております。今では朝仕事に出るときは子供に「ママバイバイ」と笑って見送ってもらっています。そういう状態にしてくださっている麻酔科のスタッフの方々と日中子供をみてくださっている保育園の先生に感謝しています。