がん診療センター

肺がん

肺がんの治療と実績

呼吸器内科では、呼吸器外科、外来化学療法センター、放射線診断科、放射線治療科、病理診断科などの診療科と連携することで、速やかな診断と治療の導入を目指しています。

呼吸器内科での化学療法の治療実績

術後補助化学療法

対象 術後病理病期ステージIIA~IIIA期の非小細胞肺癌
男性 19人、女性 6人
年齢 中央値 71歳 (範囲 36~77歳)

治療導入患者数(人)

  2019年度 2020年度 2021年度(4~12月)
シスプラチン+ビノレルビン 13 10 3
化学放射線併用療法

対象 切除不能局所進行あるいは術後局所再発の非小細胞肺癌
男性 28人、女性 14人
年齢 中央値 73歳 (範囲 31~90歳)

治療導入患者数(人)

  2019年度 2020年度 2021年度
(4~12月)
シスプラチン+ビノレルビン+胸部放射線照射 5 5 2
カルボプラチン+パクリタキセル+胸部放射線照射 5 13 12
デュルバルマブ維持療法 9 7 3
分子標的薬

対象 対象となる遺伝子変異が検出された進行非小細胞肺癌
男性 22人、女性 38人
年齢 中央値 74歳 (範囲 49~92歳)

処方期間 2021年11~12月に処方した患者数(人)

変異遺伝子  薬剤名(一般名) 処方患者数(人)
EGFR オシメルチニブ 38人
アファチニブ 4人
エルロチニブ 9人
ゲフィチニブ 1人
ALK アレクチニブ 3人
ロルラチニブ 1人
クリゾチニブ 1人
BRAF ダブラフェニブ・トラメチニブ 2人
MET テポチニブ 1人
複合がん免疫療法

対象 局所進行・転移性非小細胞肺癌
男性 61人、女性 20人
年齢 中央値 71歳 (範囲31~90歳)

治療導入患者数(人)

  2019年度 2020年度 2021年度
(4~12月)
シスプラチン/カルボプラチン+ペメトレキセド+ペンブロリズマブ 14 15 7
カルボプラチン+パクリタキセル/アブラキサン+ペンブロリズマブ 9 3 4
カルボプラチン+アブラキサン+アテゾリズマブ 0 6 4
カルボプラチン/シスプラチン+パクリタキセル/ペメトレキセド+ニボルマブ+イピリブマブ 0 0 4
カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ+アテゾリズマブ 1 1 4

対象 進展型小細胞肺癌
男性 14人、女性3人
年齢 中央値 69歳 (範囲 61~82歳)

治療導入患者数(人)

  2019年度 2020年度 2021年度
(4~12月)
シスプラチン/カルボプラチン+エトポシド+デュルバルマブ 0 2 5
カルボプラチン+エトポシド+アテゾリズマブ 3 5 2

呼吸器外科では、治療に関しては専ら低侵襲性を重視し、胸腔鏡下手術に幅広く対応していますが、胸腔鏡下手術の適応外となる隣接臓器浸潤癌に対しては、呼吸器センターとしての合同カンファレンスを定期的に開催する中で、呼吸器内科、放射線科と常に情報を共有し連携をとっています。このような体制を基盤とし、ときには心臓血管外科の協力を得ながら、拡大手術や集学的治療など幅広く高度な医療を提供しています。

早期肺癌

標準術式として肺葉切除術・リンパ節郭清を行っています。また、適応は限定されますが、一部の小型肺癌に対しては区域切除や肺部分切除などの縮小手術を行います。いずれの場合も原則として胸腔鏡下手術を行います。現在、当院での肺癌手術の8割以上が胸腔鏡下で行われ、そのほとんどがいわゆる完全鏡視下手術です。

進行肺癌

手術の方法は早期肺癌の場合と同じこともありますが、胸腔鏡を補助的に使用した開胸手術を行うことが多いのが特徴です。また、浸潤臓器の合併切除など積極的に拡大手術を行うとともに、呼吸器内科医による化学療法(抗癌剤治療)と放射線科医による放射線治療を組み合わせた集学的治療を行っています。

転移性腫瘍

転移性肺腫瘍(大腸癌や乳癌など他臓器癌からの肺転移)に対しては、原則的に早期肺癌の治療に準じた胸腔鏡下手術で対応しています。

  2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
肺癌 101 67 110 114 115
転移性肺腫瘍 13 10 11 34 ***

非小細胞肺癌の術後5年生存率