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膀胱がん
膀胱がんの診断と実績
膀胱がんの初発症状は血尿(無症候性肉眼的血尿)であることが多く、外来では腹部超音波検査、膀胱鏡検査などを行って確定診断を得ます。
膀胱がんと診断された場合は、まず経尿道的膀胱腫瘍切除術を行って、組織型や深達度を判断し、さらに治療が必要か経過観察のみでいいかを決定します。
膀胱がんの治療と実績
筋層非浸潤性膀胱がん(Ta,T1,Tis)
膀胱内視鏡を用いて腫瘍を切除する経尿道的腫瘍切除術(TUR-Bt)を行います。
膀胱がんは腫瘍を切除しても膀胱内に再発することが多いため、再発予防目的に各種抗がん剤(ピノルビン®など)の膀胱内注入療法ならびに上皮内がんに対してはBCG膀胱内注入療法も併用しています。手術後の病理診断に基づいて、初回手術から1-2か月後に再度がんの残存がないかを検討するために経尿道的腫瘍切除術(セカンドTUR-Bt)を行います。
筋層浸潤性膀胱がん(StageⅡ・Ⅲ)
標準的治療は膀胱全摘除術になります。
そのため、尿路変向術(尿管皮膚ろう、回腸導管、回腸新膀胱)も必要となります。病勢に応じて、術前に抗がん剤治療を行ってから膀胱全摘除術を行うこともあります。
基本的には低侵襲なロボット支援下膀胱全摘除術(RARC)で行い、病勢にもよりますが回腸新膀胱造設術による排尿機能温存、勃起神経血管束温存による勃起機能の温存に努めています。回腸導管造設術の場合は、基本的には術後回復の早いロボット支援下体腔内尿路変向術(ICUD)で行っており、下図のように手術創は小さく、周術期合併症もほとんどありません。手術時間に関しても、従来の開腹での尿路変向術(ECUD)と比べて大きな差はありません。
回腸新膀胱造設術の場合も、ICUDを開始しています。従来のECUDに比べ時間は要するため年齢・術前合併症有無にて選択しますが、ECUDと比べ手術創は小さく、術後回復の早さが期待できます。
術後は、摘除検体の病理学的悪性度によって抗がん剤治療を追加する場合があります。
進行がん(StageⅣ)
全身化学療法が治療の主体になります。
標準治療であるGC療法やMVAC療法を行いますが、治療効果が不十分の場合は免疫チェックポイント阻害薬(キイトルーダ®、バベンチオ®)や新規抗癌剤(パドセブ®)による治療や、転移巣局所に対する放射線療法や化学放射線療法を行います。
膀胱 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
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経尿道的膀胱腫瘍切除術 | 140 | 154 | 155 | 136 | 154 |
膀胱全摘除術(うち腹腔鏡下) | 6 | 3(0) | 0 | 1(0) | 0 |
膀胱全摘(ロボット手術・RARC) | 5 | 6 | 15 | 6 | 7 |