医療センター

脊椎・脊髄センター

脊椎・脊髄疾患に対して統合的な診療を行うセンターとして、2016年1月に発足しました。センター長は専任で、整形外科医4名、脳神経外科医2名が所属しています。整形外科と脳神経外科の垣根を越えたチームで診断や治療方針を検討し、脊椎・脊髄疾患の診療を行っています。
当センターは、地域の医療機関と連携し、手術を中心とした急性期治療を担っています。地域の医療機関で、お薬や装具、リハビリによる保存的な治療を行っても、また、生活習慣を改善してもよくならない場合に、診察のうえ、少しでも心身ともに豊かな生活ができるような治療を提供し、地域の医療機関にお繋ぎします。
病気だけを診ず、人を診て、Quality of Survival(QoS)の向上を目指した診療を行っています。

脊椎・脊髄センターからのお知らせ

2023年1月1日から、当院の整形外科、脊椎・脊髄センターでは、外来受診(初診)の患者さんは、紹介状が必要になりました。
  • 紹介状を持参していない初診患者さんの診察は、原則お断りさせて頂きます。
  • お近くの整形外科(かかりつけ医)受診後に、当院の診察が必要と診断された場合、地域医療連携センターを通して予約受診をお願い致します。
  • 当院の整形外科、脊椎・脊髄センターは、大阪府より承認された地域医療支援病院の診療科として、地域の医療機関(かかりつけ医)と連携した入院診療(手術治療)を中心とする診療体制を強化する方針といたしました。 「かかりつけ医」は国が推進する制度です。ご不明点については診療科へお問い合わせください。ご理解の程よろしくお願いいたします。

当センターの特色

  • 安全性の高い手術
    2016年1月からナビゲーションシステム、術中CT撮影装置(ハイブリッド手術室)を導入しています。難易度が高い脊椎・脊髄疾患に対しても安全性の高い手術が可能です。
  • 低侵襲手術
    内視鏡手術(MED:内視鏡下椎間板摘出術、MEL:内視鏡下椎弓切除術、PED:経皮的内視鏡下椎間板摘出術)や最小侵襲脊椎安定術(MISt)を取り入れ、できるだけ身体への負担が少ない手術を行っています。また、ナビゲーションシステムを併用することで正確な手術が可能です。
  • 脊椎腫瘍手術・緩和外科手術
    がんの脊椎転移をはじめ、脊椎腫瘍の治療経験が豊富な脊椎外科医が在籍しています。侵襲を抑えた緩和外科や積極的な根治手術など、個々に応じた手術を提供し、Quality of Survival(QoS)の向上を目指しています。「生きる」ための治療もさることながら、「動ける」「生活できる」ための予防・ケアを含めた治療を大切にしています。
  • 骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折に対する内科的・外科的治療
    骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折に対し、長期臥床を避けるためにBKP(椎体形成術)やPPS(経皮的椎弓根スクリュー)を用いた脊椎固定術など、MISt(最小侵襲脊椎安定術)を行っています。また、手術だけでなく、骨粗鬆症の治療薬の導入や変更を行い、地域の医療機関と連携して、個々の社会生活に応じた、適切な治療介入を目指しています。

対象疾患

  • 頸髄症、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎後縦靱帯骨化症、頸椎症性神経根症
  • 胸椎後縦靱帯骨化症、胸椎黄色靱帯骨化症
  • 腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎分離症、腰椎椎間板ヘルニア
  • 骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折、脊椎転移、脊椎腫瘍、脊椎外傷
  • 脊髄腫瘍、脊髄血管障害 など

代表的な手術

頸椎椎弓形成術

対象疾患:頸髄症、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎後縦靱帯骨化症、頸椎症性神経根症など
頸の骨(頸椎)を後ろから削って、神経が通る管を広げ、神経への圧迫を解除し、頸椎を再建する手術です。

頸椎前方固定術

対象疾患:頸髄症、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎後縦靱帯骨化症、頸椎症性神経根症など
頸の骨(頸椎)を前から削って、神経への圧迫を解除し、骨盤から採取した骨やインプラントなどを用いて頸椎を固定する手術です。

頸椎椎間孔拡大術(顕微鏡下)

対象疾患:頸椎椎間板ヘルニア、頸椎症性神経根症など
頸の骨(頸椎)を部分的に削って、神経が通るスペースを広げ、神経への圧迫を解除する手術です。

椎間板摘出術(顕微鏡下、内視鏡下:MEDなど)

対象疾患:腰椎椎間板ヘルニアなど
内視鏡手術は、通常の手術(髄核摘出術)よりも小さな傷(2cm程度)で、腰の骨(腰椎)を部分的に削って、椎間板ヘルニアを摘出します。身体への負担が少ないため、入院も短期間です(数日から1週間程度)。

開窓術(顕微鏡下、内視鏡下:MEL、棘突起縦割式椎弓切除など)

対象疾患:腰部脊柱管狭窄症、胸椎黄色靱帯骨化症など
腰の骨(腰椎)を部分的に削って、神経が通るスペースを広げ、神経への圧迫を解除する手術です。身体への負担や社会生活など、個々に応じた手術を選択しています。

内視鏡下椎弓切除術(MEL)
脊椎固定術(腰椎後方椎体間固定術:PLIFなど)

対象疾患:腰椎すべり症、側彎症、環軸椎亜脱臼、脊椎外傷など
先天的に、あるいは酷使することで、頭や体を支える背骨が不安定となり、その不安定性のために神経が圧迫されて、腕や脚に症状がある場合に行います。腰の骨(腰椎)を削って、神経への圧迫を解除し、スクリューやロッド、ケージなどを用いて背骨の固定を行い、安定性を得る手術です。

経皮的椎弓根スクリュー(PPS)による最小侵襲脊椎安定術(MISt)

対象疾患:骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折、脊椎転移、感染性脊椎炎、脊椎外傷など
背骨の不安定性による痛みで動けない場合に行います。病状や生活に応じて、できる限り、身体への負担を少なくしながら、大きな効果が得られるようにします。皮膚の切開や筋肉の切離を小さくして、スクリューとロッドを用いて背骨の固定を行う手術です。

腰椎椎間板内酵素注入療法

対象疾患:腰椎椎間板ヘルニアなど
お薬や装具でよくならない場合、コンドリアーゼ(ヘルニコアR)の腰椎椎間板注射を行い、椎間板内圧を下げ、間接的に神経への圧迫を軽減する方法です。

椎体形成術(経皮的後弯矯正術 Balloon Kyphoplasty:BKPなど)

対象疾患:骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折、転移性脊椎腫瘍など
「いつのまにか骨折」である骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折や脊椎転移による圧迫骨折が増えています。なかには強い痛み、なかなか改善しない痛みで動けなくなることがあります。このようなときに、経皮的に(背中から針を刺すだけで)あるいは切開して、背骨を自然な形に戻して不安定性をなくし、痛みを和らげ、動けるようにする手術です。

脊椎腫瘍手術

対象疾患:脊椎転移、脊椎腫瘍(原発性)など
腫瘍の治療も大切ですが、先ずは「動ける」「生活できる」ことが大切です。痛みを減らし、ベッドから離れる生活ができるように支援します。病状や生活に応じて、がんを切除する、あるいは機能を温存する、再獲得することを目指して最適と判断する手術を行います。

これらの症状は、以下の病気かもしれません。

疑われる病気 症状
頸髄症、
頸椎椎間板ヘルニアなど、
頸椎の病気
「腕(手、指)がしびれる」
「腕(手、指)が痛い」
「力が入りにくい」「転けやすい」
腰部脊柱管狭窄症、
腰椎椎間板ヘルニア、
腰椎すべり症など、腰椎の病気
「腰が痛い」「脚がしびれる」「脚が痛い」
「力が入りにくい」「転けやすい」
脊椎圧迫骨折、
脊椎転移など、
胸椎の病気
「背中が痛い」「力が入りにくい」
「転けやすい」「おしっこやお通じが出にくい」

これらの症状は原因を探求することで、ひょっとすると痛みが和らぎ、もっと動けるようになるかもしれません。地域の医療機関でのお薬や装具、リハビリによる治療を行っても、また生活習慣を改善してもよくならない場合には、診察のうえ、有効な治療法を探し、少しでも心身ともに豊かな生活になることを支援します。

診療実績

脊椎・脊髄センター長

氏名 和田 英路(わだ えいじ)
卒年度 昭和60年
専門分野 脊椎・脊髄外科
学会・資格等
日本整形外科学会整形外科専門医・認定脊椎脊髄病医・脊椎内視鏡下手術技術認定医
日本脊髄脊椎病学会脊椎脊髄外科専門医・脊椎脊髄外科指導医・評議員
日本リハビリテーション医学会認定臨床医
BKP(バルーン椎体形成術)認定医
ハイブリッド手術室脊椎手術研究会世話人
大阪脊柱靭帯骨化症友の会相談医
兵庫県OPLL患者友の会協力指導医
Cervical Spine Reserch Society Asia-Pacific Section
Best Doctors in Japan 2014-2023
コメント 「心をこめて」、日々の診療を行います。

所属メンバー

役職 脊椎・脊髄センター副部長
氏名 大島 和也(おおしま かずや)
専門分野 脊椎外科、骨転移・骨軟部腫瘍、骨粗鬆症、がんロコモ・がんリハ
学会・資格等
日本整形外科学会整形外科専門医・認定脊椎脊髄病医・認定運動器リハビリテーション医・認定リウマチ医・認定スポーツ医・がんロコモWG委員
日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医
日本リハビリテーション医学会認定臨床医
日本運動器科学会セラピスト指導医
大阪府がんのリハビリテーション研修会実行委員
日本骨転移研究会理事
脊椎腫瘍・骨粗鬆症研究会世話人
大阪成蹊外科症例検討会世話人
日本医療リンパドレナージ協会医療リンパドレナージセラピスト
KYPHONRBalloon Kyphoplasty Primary Physician Training 修了
コメント
「動ける」「生活できる」を支援
「人間愛」“Big You, small i.”「医は仁術なり」
役職 脳神経外科副部長
氏名 新 靖史(しん やすし)
専門分野 脳血管障害(バイパス術) 脊髄外科 神経内視鏡手術 低侵襲手術(鍵穴手術)
学会・資格等 日本脳神経外科学会脳神経外科専門医・評議員
日本神経内視鏡学会技術認定医・技術認定制度委員会委員
日本脊髄外科学会認定医・脊髄内視鏡下手術技術認定医・脊椎脊髄外科専門医・代議員
日本脳卒中学会専門医・指導医
日本脳神経外科コングレス
日本低侵襲・内視鏡脊髄神経外科学会世話人・脊髄内視鏡手術技術認定医
近畿脊髄外科研究会学術評議員
日本脳卒中の外科学会技術指導医
ハイブリッド手術室脊椎手術研究会世話人
日本頭痛学会
役職 脳神経外科副部長
氏名 鄭 倫成(てい りんせい)
卒年度 平成9年
専門分野 脳血管障害 脳脊髄腫瘍 脊椎脊髄外科
学会・資格等 日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
日本脳卒中学会専門医・指導医
日本脊髄外科学会認定医・専門医
日本脳神経外科コングレス
日本脳卒中の外科学会技術指導医
日本脳神経減圧術学会
役職 整形外科/脊椎・脊髄センター医長
氏名 橋本 国彦(はしもと くにひこ)
専門分野 脊椎外科、骨粗鬆症
学会・資格等 日本整形外科学会整形外科専門医・認定脊椎脊髄病医・運動器リハビリテーション医・リウマチ医
BKP(バルーン椎体形成術)認定医
日本骨粗鬆症学会認定医
日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科専門医・脊椎脊髄外科指導医
日本骨代謝学会 
役職 副医長
氏名  立岩 大輔 (たていわ だいすけ)
専門分野 脊椎・脊髄外科
学会・資格等 日本整形外科学会整形外科専門医・認定脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医
OLIF(腰椎側方椎体間固定)認定医
BKP(バルーン椎体形成術)認定医
日本運動器移植・再生医学研究会
日本PED研究会
AO Spine
趣味 コーヒー、筋トレ
コメント 患者さんと一緒に治療をしていく気持ちを大切に、日々の診療に取り組んで参ります。

 

(2024年11月29日現在)

外来診察表

 
午前 大島
(脊椎腫瘍)
和田
(脊椎・地域)
橋本
(脊椎)


(脳・脊髄外来)


(いたみ・しびれ外来)

立岩
(脊椎)
橋本
(脊椎) 
  大島
(脊椎腫瘍)
和田
(脊椎・地域以外)
立岩
(脊椎)
午後 大島
(脊椎腫瘍)
和田
(脊椎)
橋本
(脊椎)
大島
(脊椎腫瘍)
和田
(脊椎)
立岩
(脊椎)
橋本
(脊椎)
立岩
(脊椎)

(2024年8月30日現在)

※午前・午後ともに完全予約。
※初診の予約は、かかりつけの病院・クリニックから本院 地域医療連携センターを通して予約してください。

開業医の先生方へ

患者さんをご紹介いただく際は下記の診療情報提供書のFAX用のフォーマットをダウンロードしてご利用ください。