泌尿器科

ボツリヌス毒素膀胱内注入療法について

ボツリヌス毒素膀胱内注入療法とは?

ボツリヌス菌によって産生されるA型ボツリヌス毒素(ボトックス®)を膀胱壁に直接注射することで膀胱の筋肉を弛緩(緩める)させる働きがあります。
過活動膀胱では無抑制性収縮(我慢が効かずに膀胱の筋肉が収縮する)によって頻尿や切迫性尿失禁が起こるため、膀胱を弛緩させることで症状を緩和させます。

どのような治療なの?

膀胱鏡という内視鏡で尿道から膀胱の中を観察し、直接膀胱壁に針を刺して注入します。
過活動膀胱では20か所、神経因性膀胱に対しては30か所に注射します。

(イラスト:グラクソ・スミスクライン株式会社より引用)

実際にどのように行うの?

2023年4月より、第二大阪警察病院の外来で処置としています。
麻酔は局所麻酔と、痛み止めの坐薬で行いますが、痛みに弱い方は鎮静(ぼーっとする薬を点滴から使います)も併用します。その際はぼーっとしてしまうため、ご自身での運転は控えて下さい。お付添いの方とお越し頂くか、公共交通機関やタクシーでの受診をお願い致します。
処置自体は10分程度で終了しますが、処置後に排尿を確認してからお帰り頂いています。

治療効果は?

治療効果は治療後2、3日で現れます。治療を受けた患者さんの約80%に排尿回数、尿失禁回数をはじめとした症状の改善がみとめられます。効果は一時的で平均8か月で減弱するため繰り返しの投与が必要になります。

副作用は?

膀胱炎などの尿路感染、血尿、尿閉(排尿できなくなる)が10%未満の確率で起こるとされています。
副作用も徐々に軽減しますが万が一、尿閉になったときは自己導尿など管の管理が必要になります。