脳神経内科

診療方針

脳神経内科は2011年7月に神経内科として新規開設し、同年10月からは入院診療も開始しております。脳神経内科が担当する疾患分野は多岐にわたりますが、①脳血管障害 ②神経救急疾患(脳血管障害を除く)③ 神経変性疾患・神経免疫疾患など脳神経内科全般、の三分野に大別して紹介いたします。

脳血管障害 (~脳卒中・神経センターについて~)

当院では2011年7月神経内科(現:脳神経内科)開設と同時に、脳卒中・神経センターを開設いたしました。

脳神経外科・脳神経内科が中心となって運営しており、24時間体制で脳卒中救急搬送受け入れを行っております。2011年11月には脳卒中ホットラインを開設いたしました。脳卒中担当医が常時ホットライン(PHS端末)を携帯し、救急隊および地域登録医の先生方から迅速に搬送受け入れさせて頂ける体制を整えております。

また当センターの最大の特徴は、脳血管内治療専門医が常勤している大阪市内でも稀有な脳卒中センターであり、超急性期脳梗塞に対する脳血管内治療に積極的に取り組んでいることです。具体的には、発症3時間以上8時間以内脳梗塞症例や、発症3時間以内でrt-PA療法を行うも再開通が得られなかった脳梗塞症例に対して、経動脈的血栓溶解術や血栓吸引術を行っております。

脳卒中は全ての病型(脳梗塞,脳出血,くも膜下出血)において、一般病床ではなく脳卒中センター・Stroke Care Unitで集中治療を行うことで死亡率低下、機能予後改善が得られることが証明されています。脳卒中・神経センターでは、医師だけでなく、看護師、リハビリ、ソーシャルワーカーなど全てのスタッフが一丸となり、脳卒中患者さんの機能回復を目標に治療にあたっております。

神経救急疾患

当院では病院全体として救急医療体制の充実・強化に取り組んでおります。脳神経内科もその一端を担うよう、神経救急疾患(脳血管障害、髄膜炎・脳炎、てんかん、ギラン・バレー症候群など)の診療にも力を入れています。地域の先生方から当科にご紹介頂いた髄膜炎疑い、ギラン・バレー症候群疑いなどの救急症例につきましては当日診察検査対応を取らせて頂いております。また、ER・救命救命センターに搬入された意識障害や痙攣症例については、他科と連携を図りながら診療に当たっており、脳炎や代謝性脳症などの診断および治療を担っております。

神経変性疾患・神経免疫疾患など神経内科疾患全般

神経変性疾患(パーキンソン病・パーキンソン症候群・筋萎縮性側索硬化症など)、神経免疫疾患(多発性硬化症・重症筋無力症など)、機能性疾患(てんかん・片頭痛など)、末梢神経疾患、筋疾患など脳神経内科疾患全般に対する診療・検査を行っております。また、大阪大学神経内科と連携し筋生検などの特殊検査も行っております。

神経変性疾患の中でもパーキンソン病は高齢化とともに患者数が増加傾向にあり、当院外来でも最も多い神経変性疾患です。中等症以上の症例については病状やご希望に応じて短期間の入院精査加療も行っています。神経変性疾患患者さんの多くが長期在宅療養を余儀なくされるため、地域の先生方や訪問看護ステーションと個々の症例について合同カンファレンスを開催するなど綿密に連携させて頂きながら診療に当たっております。