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胃癌に対する医師主導型治験開始のお知らせ

 消化器外科では、切除可能な4型胃癌を対象とした第III相医師主導型治験を行っています。
4型胃癌(スキルス胃癌と呼ばれるものが含まれます)は、胃の壁が硬化し厚くなるタイプの進行胃癌で、腹膜播種転移を起こしやすく、他の胃癌に比べて治療成績が不良と報告されています。手術で切除できた場合でも、腹膜に再発する(腹膜播種再発)危険性が高いことが知られています。そのため術後に抗がん剤治療(補助化学療法)を行ったり、手術前に抗がん剤治療を行なう(術前化学療法)治療との併用が行われてきました。しかしながら現在、効果的な化学療法は見いだせていません。

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 腹膜転移に対する効果的な治療法が見つかれば、治療成績の向上が見込めると考えられており、その一つの希望として腹腔内化学療法があります。すでに存在する腹膜播種に対する効果としては、統計学的にはその有効性は証明されませんでした。しかし、治療を受けた患者さんの腹膜播種の進み具合に偏りがあったため、この偏りを考慮に入れて検討したところ、全身・腹腔内併用化学療法がより有効であることが示唆されました。  

 本試験は、従来の手術と全身化学療法の併用療法(標準治療)に、腹腔内化学療法を加えること(試験治療)で、腹膜再発を押さえて治療成績が向上するだろうという仮説を検証する試験です。 shoukakigeka_tiken_2.png
shoukakigeka_tiken_3.png  本試験での腹腔内化学療法はパクリタキセルを用いており、保険適応外の治療です。よってこの腹腔内化学療法を保険治療である全身化学療法と併用して行うには、この試験に参加していただく必要があります。一方で両治療の成績を比較することが目的のため、標準治療と試験治療が1:1にランダムに割り付けされるため、試験治療を希望しても必ずしも受けられるとは限りませんのでご留意ください。
 腹腔内化学療法をするには、腹腔内に抗がん剤を投与するための腹腔ポートを設置する必要があります。これにより治療時以外は点滴をつなぐこともなく入浴も可能です。

 

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